大塚歯科医院

虫歯

虫歯のなり方

お口の中には多くの細菌が存在し共存しています。色々な言い方がありますが、虫歯菌や歯周病菌の住み家、歯垢(プラーク・デンタルバイオフィルム)を形成し、糖分を栄養に酸を出して歯を溶かし虫歯になります。

歯垢(バイオフィルム)を日常生活で身近なものと言えば、台所やお風呂の排水溝のヌメリをイメージしてください。お口の中の歯垢も細菌の種類は違えどバイオフィルムを形成し、排水溝のヌメリがお口の中にできると思ってください。

虫歯になるには、虫歯菌(歯垢)の他に、糖分、歯質、時間が深く関係しています


歯垢の付着が多い、糖分の摂取量が多い、虫歯菌が酸を出す時間が多い、歯の質が弱いと虫歯になるリスクは上がります。
飲食すると、歯の表面で脱灰(だっかい)・再石灰化(さいせっかいか)というものがおこっています。
脱灰:食事や間食(おやつ)で歯垢の酸性度が高まると、歯からリン酸やカルシウムが溶けだします。
再石灰化:唾液の作用で溶けだしたリン酸やカルシウムが再び歯に沈着する。
これを繰り返しています。

糖分の摂取、虫歯菌が酸を出す時間との関係


長時間、酸性状態が続くと再石灰化より脱灰が進んで虫歯になります。
高血圧やリウマチ、糖尿病など全身疾患の治療薬の副作用、精神的なストレス、加齢筋力の低下による唾液の減少によってもリスクが上がります(ドライマウス参照)。

飲料水のpH


チョビチョビ飲みは歯を溶かすリスクが高い(小さいお子様では哺乳瓶に入れて飲ませるとリスク大)。カロリーがゼロと記載してある飲料でもpHはほとんど変わりません(スポーツマウスガード参照)。

歯・歯ぐき(歯肉)・骨(歯槽骨)などの構造

虫歯の進行段階と治療法

C0(ごく初期の虫歯)

歯の表面のエナメル質が溶けはじめ、白く濁っている、変色している状態。まだ歯に穴はあいておらず、痛みなどの自覚症状はありません。
治療:適切なブラッシングや生活習慣の改善、フッ化物塗布で進行しない場合があります。
細菌がたまりやすい溝などを清掃し樹脂をつめて予防する場合もあります(歯は削りません)。

C1(エナメル質の虫歯)

歯の表面のエナメル質が溶け、黒ずんでいたりする状態。たまにしみることがありますが、痛みが出ることは少ないです。
治療:虫歯の部分を取り、歯科用プラスチック(レジン)を詰めて治療します。
お口の中の清掃、フッ化物塗布で経過を見る場合があります。
治療回数の目安:多くは1回の治療で終了することが多いです。

C2(象牙質の虫歯)

エナメル質の内側にある象牙質まで虫歯が進行した状態。冷たいものや甘いものがしみる場合があり、ときどき痛むこともあります。
治療:虫歯の部分をとり、多くは型をとる詰め物(インレー)で修復します。
治療回数の目安:3回程度の治療回数が必要です。

CAD/CAMインレーは保険の適応条件があります。

C3(神経まで達した虫歯)

神経まで虫歯が進行した状態。熱いものがしみるようになるほか、何もしていなくてもズキズキと激しく痛むことが多くなります。
歯の神経を除去し、神経が入っていた管(根管)の内部を消毒して薬剤を詰める根管治療を行い、被せ物(クラウン)で被せることが多いです。

治療と治療回数の目安:根の治療から被せ物が入るまでの①の歯の根の中がきれいになるまで数回かかります。①が終われば被せ物が入るまで5回程かかります。
CAD/CAM冠は保険の適応条件があります。

C4(歯根まで達した虫歯)

多くは、抜歯が必要です。抜歯後、ブリッジ、入れ歯、インプラントなどで修復します。
全身の状態、ある種の薬を投与されている場合、抜歯できない場合があります。現状より悪くならないよう、虫歯の場所だけではなく、お口の中全体の状態を見ていく必要があります。

歯が抜けたままにしておくと


咬み合わせが崩壊し、歯周病や虫歯など発症リスクが増し、残っている歯の寿命が短くなる確率が上がります。
歯を入れたいと思った時、歯を入れられない状態になる可能性があり、将来的にオーラルフレイルに移行しやすくなります(オーラルフレイル参照)。

加齢、歯周病などが進行している場合の虫歯の特徴

年齢が高くなる、歯周病が進行し歯ぐきが下がっている方は歯の根の虫歯(根面虫歯)になるリスクが増えます。
根面(象牙質)は歯垢が残りやすく、歯冠部(エナメル質)より柔らかいため、虫歯菌が出す酸によって虫歯になりやすい部分です。初期の虫歯からすぐに大きな虫歯に進行しやすく、進行すると歯が折れることもあります。
初期であれば削らずに、フ塗布で経過を見る場合があります。

※予防と定期的なメンテナンスの重要性

基本はブラッシングと生活習慣の改善。
上記で説明いたしましたが、台所やお風呂の排水溝のヌメリを取るのに水洗だけでは取れません。ブラシやスポンジでこすり取るのと同じで、歯垢もしっかり歯ブラシなどあてないと除去できません。
日頃のブラッシング、洗口液や定期的なメンテナンスを受けても、お口の中から虫歯菌(歯周病菌も)が無くなることはありませんが、定期的なメンテナンスを受けることにより、歯ブラシなどでは届かない歯垢を除去し、お口の中の細菌数を減らし、環境を変化させることにより、虫歯、歯周病、全身疾患の発現・進行悪化のリスクを下げることはできます。
また、唾液の性質や出る量、生活習慣、年齢、口腔機能の低下(オーラルフレイル参照)、お薬の服用など色々な原因が関係しています。

フッ化物の応用で虫歯予防

フッ素の力

歯科医院でのフッ化物塗布、日常ではフッ素入りの歯磨剤(歯磨き粉)を使用することで虫歯の予防になります。

歯周病
歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。歯と歯肉の境目の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し、歯ぐきが炎症をおこします。進行すると歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなり、歯を支える骨が溶けて歯が動くようになり、最後は抜歯をしなければいけなくなってしまいます。約80%以上の人がかかっていると言われるほど、多くの方が悩んでいる歯ぐきの病気です。
歯周病の恐ろしい点は、初期・中期には痛みをあまり感じることがなく症状がどんどん進むことです。 痛みや腫れの症状が出てくるのは末期になってからで、それまではほとんど自覚症状ありません。 これがこの病気の最大の特徴で、また一番恐いところです。
この15年の間に、歯周治療は急速な進歩を遂げました。 以前は「不治の病」とさえ言われていた歯周病も、現在では進行を抑制することが可能となりました。
虫歯も同じですが歯周病の原因は歯垢等(病原性の細菌等)ですので、それを停滞させない、増やさないことが基本です。そのためには正しい歯ブラシの方法で毎日実行することです。歯の表面を歯垢のない清潔な状態にしておく事が何より一番大切なことです。
そのためには
○歯肉の中まで入っている歯垢、歯石を取り除き、さらに根の表面を滑らかにして炎症を引き起こす細菌を徹底的に除去することです。
○悪くなった歯ぐき、骨を治療して健康に近い歯肉にすることです。
○かみ合わせによる力のコントロールを調整することです。
○歯並び、歯ぐき、顎顔面に影響を及ぼすような悪い癖(態癖)を改善することです。日常、なにげなくしている、頬杖、うつ伏せ寝などでも用意に歯並び、顎の変形をおこし、歯周病の悪化のみならず、全身の色々な不定愁訴の原因のひとつにもなります。

29303132

態癖について、お口とからだの健康・・・・患者さんに知っていただきたいこと  http://www.22i.gr.jp/p0509.html

○健康保持のため歯科医院での専門的なクリーニングなど、メインテナンスを定期的に受けることです。
○現在では歯周病は、予防でき治療も可能です。 大切なのは予防、診断、治療、生活習慣の改善、そして重要なメインテナンスです。

メインテナンスとは歯周病を再発させず、健康な状態を維持していくための定期的な治療のことです。 治療が終了した後は、病態によりますが、3~6ヶ月ごとの定期検診の受診をお勧めします。
歯周病は細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。歯と歯肉の境目の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞(歯垢の蓄積)し、歯周病が再発します。したがって、この細菌の停滞(歯垢の蓄積)を除去し続けることで歯周病の再発を予防することができ、お口の健康を維持することができます。細菌の集団である歯垢(プラーク)は、毎日の適切なブラッシングでほとんど除去することが出来ます。 しかし深い歯周ポケットの中や歯並びの悪い所にある細菌はブラッシングでは除去できません。 これらは歯科医院にて専門的なクリーニングを行なうことによって除去することができます。歯周病は再発の多い病気といわれています。治療により症状が改善したとしても、そこは一度歯周病に侵されたところです。 治ったとしても溶けてしまった骨が完全に元通りに戻るわけではなく、 油断は禁物です。
ブラッシングが不十分であったり、メインテナンスを怠ると細菌が増殖、活動しはじめ歯周ポケットが深くなります。そして簡単に再発します。治療には限界があるため、部分的に治りきらないところが残ることがありますが、そのような部位でもメインテナンスを継続することにより、歯周病の進行を食い止めることができます
欧米では歯周病を「静かなる疾患」と呼びます。これは患者さん自身が再発や進行を自覚することは困難であると言う事です。したがって歯を失わないためにもトラブルを感じなくとも定期的に歯科医院でメインテナンスを受けることが必要なのです。

当院では歯周病の診断として、レントゲン検査、歯周基本・精密検査、お口の中の写真検査、お口の中の病原微生物の数の測定検査などをおこなっています。
歯周基本・精密検査では、歯周ポケットの深さ(2ミリ以内正常、3~6ミリ初期から中等度の歯周病、6ミリ以上重度の歯周病)、歯ぐきから出血、歯がグラグラしていないかを診査します。

33


当院では歯周基本・精密検査の結果をお渡ししています。

36

歯周病、虫歯や訪問診療も含め、口腔ケアとは病原微生物がバイオフィルム(歯垢など)として、歯、歯ぐきなど口腔粘膜に付着しているのに対して、破壊し、口腔外に回収除去する行為であり、健康な口腔内環境を保つには、口腔バイオフィルムの管理が必要です。これまで口腔バイオフィルムを客観的に定量する際には、迅速に計測できる方法はありませんが、細菌カウンタは約1分で計測できます、近年増加傾向にある、誤嚥性肺炎も病原微生物が誤嚥されることによって引き起こされる気道感染です。細菌カウンタは持ち運びができますので、例えば、寝たきりの患者様の口腔ケアの評価にも役立っています。

37
細菌カウンタ

38
39
細菌レベル測定結果もお渡ししています。

歯周病の治療

40

歯肉の中まで入っている歯垢、歯石を取り除き、さらに根の表面を滑らかにして炎症を引き起こす細菌を徹底的に除去します。
咬む力、歯にかかる力の方向により歯や歯ぐきに過度の負担がかかるため、必要があれば、咬み合わせの調整が必要です
健康保持のため歯科医院での専門的なクリーニング等、定期的なメインテナンスをおこないます。
基本的な歯周病だけでは良好な結果が出ない場合、将来的に歯周病の悪化が危惧される場合、歯周外科、再生療法もおこなっています。

根管治療(歯の根の治療)
細菌が神経まで達した場合、抜歯となる場合がありますが、根管治療により歯を残せる可能性があります。
細菌に侵された神経などを除去し、歯の根の管を清掃・洗浄・消毒してお薬を詰めることで、歯を残す可能性が増します。歯の根は複雑で再治療が必要な場合があります。
(治療の進行イメージは虫歯の項目の虫歯の進行段階と治療法C3を参照)

44
複雑な根管

根管治療に使用する器具はK3 ニッケルチタンファイル、H・Kファイルを使用しています。
K3 ニッケルチタンファイルとは折れにくい、根管壁のくい込みがない、根尖孔の移動がないという 3 つのコンセプトをメインテーマに技術者により開発された第 3 世代のニッケルチタンファイルです。
根管治療、根管長測定(歯の根の長さ)にはトライオートを使用しています。トライオートとは、世界で唯一根管測定機能と連動して動くマイクロモーターは手指感覚では察知できない根尖孔近くまで根管の拡大・形成を可能にし、治療時間の短縮がはかれます。


トライオート

根管治療ではジロソニックも併用使用しています。
ジロソニックとは、可聴域振動で根管内をキャビテーションすることでファイルでは到達しない根管内のスメア層を除去し、側枝や根尖分岐などの複雑な根管形態に対しても清掃が行えます。根管内の洗浄液には、人体に無害な、アルカリ水と酸性電解機能水を使用しています。
根管内に使用するファイル、ジロソニックは使い回しや、アルコール消毒ではなく、洗浄後、すべて滅菌処理をしたものを使用しています。

48
ジロソニック

49
キャビテーションにより清掃された象牙細管

根管充填(根管内を緊密に充填することのより、細菌等の進入、増殖スペースを封鎖)には、ウルトラフィル3Dシステムを使用しています。
ウルトラフィル3Dシステムはガッタパーチャーを軟化しパスカルの原理を利用することで根管充填を緊密に行うことができます。湾曲根管や側枝、副根管、根尖分岐の充填にも対応できます。

50
ウルトラフィル3Dシステム

51
根の先で1本の根管から2本に分岐していますが、緊密に根尖まで充填されていす。

口腔外科

親しらずの抜歯

抜歯前
70

抜歯後
71

抜歯前(犬歯が顎の骨の中に横向けに埋まっている)
72

抜歯後
73

手術野が神経に近接している場合、神経麻痺症状が出る場合があります。神経と近接している親知らずの抜歯にはCT撮影をさせていただきます。
口腔外科、歯周外科の手術の術後、数日痛み・腫れ・皮膚に内出血が出る場合があります。全身状態・当院では手術後の予後不良が危惧される症例は関連病院口腔外科へ御紹介させていただいています。
当院地域の関連病院歯科口腔外科
宇治武田病院・宇治徳洲会病院・京都岡本記念病院(五十音順)

訪問診療(往診)

近年、高齢者層が増加する一方、誤嚥性肺炎を含め肺炎が日本人の死亡原因の上位にあります。寝たきり、入院中、全身麻酔の前後など、お口の中の細菌で肺炎などおこす頻度がかなり増え、病院などでは入院中、全身麻酔前後に必ず口腔ケアを行う施設が増え、医師、看護師などの医療スタッフも口腔ケアの重要性を認識してきています。
通院が困難な場合、入れ歯の不適合、虫歯、歯周病などが原因で、効率よく咬むことができなくなります。また、舌を含んだお口の周りの筋力の低下により、飲み込む機能が低下し、誤嚥性肺炎、全身疾患の発現や増悪、身体の虚弱(フレイル)などがかなり増えてきています(オーラルフレイル参照)。
訪問診療では歯を削る、唾液などを吸う器械を準備し、入れ歯の調整、虫歯、歯周病の治療、咀嚼機能の回復のためのトレーニングなど、治療も含めた口腔ケアをおこなっています。
限界はありますが、訪問専用の機器を使用することで、歯科医院でおこなう診療が行えます。
虫歯治療・歯周病治療・根管治療(歯の根の治療)・入れ歯の作製・修理・調整・抜歯(難症例でないもの)・口腔ケアなど

69

訪問診療の対象

•身体、認知症など何らかの障害で、歯科医院への通院が困難な方
•ご高齢のために外出が困難な方
•自宅や施設を離れることが難しい方
•病気の有無にかかわらず、お一人で通院が困難であると歯科医師が判断した方。
普段は訪問診療でも、お付きの方がおられ通院ができる場合は通院できます。
お気軽にご相談下さい。

訪問歯科の流れ

お申込み

お名前、住所・ご連絡先、お困りの内容、ご希望の日時をお伺いし、訪問日時などお知らせします。その際、訪問に使用する車の駐車の可否、担当ケアマネージャー様などおられましたらお伝えください。

訪問

ご用意頂くもの
健康保険証など
介護保険の認定を受けられている方は介護保険者証
既往歴、内服などわかるものがあれば

初回訪問時に現在お困りの点、身体の状態、内服の有無、かかりつけ医、現在のお口の状態などの確認やお尋ねします。
全身状態、お口の状態を検診し、治療費・治療計画などお話しいたします。
初回訪問時は問診、応急処置のみになる場合があります。
継続し治療をご希望される方は、治療のご予約をおとりします。

訪問の際

自動車で訪問します。
対象者がベッドから起き上がれない方は、そのままの状態でお待ち下さい。
椅子や車いすご使用の場合は、お掛けになってお待ち下さい。
椅子や車いすで頭を固定できない場合は頭を固定する器具を椅子、車いす、テーブルに固定します。

お首元に掛けるタオル、普段お使いの歯ブラシ、お水の入ったコップ、洗面器などうがいのあと吐き出す容器をご用意下さい。
※気をつけて訪問診療いたしますが、汚れや傷など跡が残る場合があります。
 歯を削る、唾液などを吸う器械を床などに置きます。
 椅子やテーブルなどに頭を固定する器具をクランプで固定します。
 うがいの時や、器械からの水汚れ。
 などから汚したくない、傷など跡をつけたくない場所や家具のご配慮お願いいたします。

訪問診療の費用について

医療保険の適用が可能です。
重症老人健康管理事業対象者証をお持ちの場合、外来での診療負担金は発生しませんが、介護保険認定を受けられている方は介護保険が優先となり負担金が発生します。
訪問先によっては交通費をいただいております。
訪問診療にかかった費用のお支払い時期などは訪問時にお伝えいたします。

インプラント治療
虫歯や歯周病、外傷などによって歯を失った所の顎の骨に人工の歯根(純チタン製)を植立しその上に人工の歯を作製し、噛み合わせを回復する方法の一つです。

インプラント治療と他の治療方の違い(○はよい点、△は劣る点)

ブリッジ

55
○ 固定式なので装着しても違和感があまりありません。
○ 人工歯の材料の選択により、天然の歯と遜色なく仕上げることが可能です。
△ ブリッジを支え、固定するために、両隣の健全な歯を削る必要があります。
△ 失われた歯の分まで両隣の歯に負担がかかり、将来、その歯を失う可能性があります。
△ ポンティック(ブリッジの橋の部分)の下に歯垢(細菌)が溜まりやすく、口の中が不衛生になりやすくなります。

入れ歯

56
○ ブリッジでは適応できない、失った歯が多数のケースに有効です。
○ ブリッジのように健全な歯を削らないか、削っても数ミリ削る程度で済みます。
△ クラスプ(バネ)による隣の歯への負担が大きくなります。

△ 健康な歯と同じように強く噛むことができません。
△ 取り外して手入れをする必要があります。
△ 口の中に違和感を感じやすい。
△ 食べ物が挟まって口の中が不衛生になりやすい。
△ 顎の骨が減ったり、バネがゆるんだりするので、定期的に調整が必要です。

インプラント

57
○ 天然の歯のように顎の骨に固定するので、違和感がなく噛むことができます。 ○ 隣の歯を削る必要がありません。
○ 人工歯の材料の選択により、天然の歯と遜色なく仕上げることが可能です。
△ インプラントを顎の骨に埋めこむための手術が必要です。
△ 全身の疾患がある場合には治療できない場合があります。
△ インプラントを維持するためには十分な口腔内衛生の管理と定期的な検診が必要になります。
咬み合わせ、歯の位置(インプラント周囲の歯が傾斜をしていたり、出ていたり)など、全体の咬み合わせに支障が出る場合はインプラント治療に伴い他の歯の治療を要する場合があります。

歯を失って、そこに必ずインプラント治療を選択するのがベストかと言えば、そうではありません。残っている歯に負担をかけないなど、優れた方法のひとつですが、高額なインプラント治療を選択しなくても、インプラント以外の他の治療方法(保険治療も含む)でも、良好な場合があります。
インプラントはあくまでも失った歯の代替物です。入れ歯やブリッジよりも優れた効果がありますが、自分の歯と全く同じにならない場合があることも知っておく必要があります。

検査から最終の被せ物までの総額520000円~
検査、CT撮影、シンプラントデータ作成、サージカルガイド作製、インプラント手術(1次・2次手術)、インプラント上の土台作製、被せ物(ジルコニア)まで一連のトータルの費用。
ジルコニアより審美的な被せ物を選択される場合、別途費用が発生します。(保険の修復物と自費の修復物の項目参照)

インプラント2本目以降はCT.撮影、シンプラントデータ作成、サージカルガイド作製基本費用は発生しません。ただし、サージカルガイド作製費用については、インプラント2本目以降、1本につき5500円の追加費用が発生します。

シンプラント

http://www.simplant.jp/release/patient_implant.html
http://www.simplant.jp/release/patient_safety.html

インプラント治療に先立ち、治療を行う顎の骨の状態を詳しく調べ綿密な治療計画を立てる必要があり、CT撮影をしていただき、シンプラントにてインプラント治療の方針を決めさせていただいています。

59 60

シンプラントデーターから、サージカルガイド(インプラントの埋入方向・深度を正確にするためのガイド)を作製後、インプラント埋入します。

ピエゾサージェリー

ピエゾサージェリーは、三次元超音波振動を利用することで切削部分の長さ・深さを正確にコントロールが可能です。これにより、神経や血管などの軟組織を傷つけず安全に骨だけを切削することができます。ピエゾサージェリーによる繊細な施術は、インプラント、歯周外科などにおいて多くの可能性を示しており、上顎のインプラント埋入に必要な上顎洞挙上術、また、骨移植、歯冠延長術、骨性癒着歯の抜歯にも応用され、施術の安全性を高めています。

61
ピエゾサージェリー

マウスピース(歯ぎしり用・睡眠時無呼吸用・医療用)
歯ぎしり防止用マウスピース(保険診療対応。顎関節症治療のスプリントも保険診療対応です。)
くいしばりや歯ぎしりは別名ブラキシズムと呼ばれています。ブラキシズムによって歯が削られたり、ヒビが入ったり、歯・歯根が割れたり、まわりの骨を溶かしたり、根を露出させたり、詰め物が頻繁にはずれたりします。また、歯周病を悪化させるリスク因子でもあります。特に就寝時のブラキシズムは、食事をする際の数倍の力でかみしめているとも言われて、顎関節症や無呼吸症候群の原因にもなります。
最新の研究ではブラキシズムは中枢性のストレスに対する生体の防御反応としての生理的な現象で、ほとんどの人に大なり小なり見られる現象であることがわかってきました。睡眠中のくいしばり、歯ぎしりは、やめたいと思っても現実的に不可能です。歯ぎしり防止用マウスピースはくいしばり、歯ぎしりによる、歯、歯ぐき、歯を支えている骨、咬むのに関連した筋肉、顎の関節などの損傷をできるだけ少なくするためのものです。

76

歯ぎしりは色々な所にダメージをあたえます

こんなことになっていませんか?


その他
•ほほに咬んだ様な跡がある
•舌に歯型のようなくぼみがある
•歯が短くなってきた
•歯がすり減っている
•歯のつけ根がくぼんでいる

歯ぎしりをしていると、こんなリスクが!







一日で上下の歯が接触している時間は約20~30分と言われています。食事の際も上下の歯は緊密には接触していません。
日常の無意識な歯ぎしり・くいしばり、歯牙の接触、硬いものが好きなど歯に負担がかかることがあれば、歯、歯ぐき、歯を支えている骨、咬むのに関連した筋肉、顎の関節などにダメージを与えます。
歯ぎしり防止用マウスピースは、それらの損傷をできるだけ少なくするためのもので、意識し改善することが大切です。

睡眠時無呼吸症候群・いびき防止のマウスピース(スリープスプリント)

閉塞性睡眠時無呼吸の治療CPAP治療は一般的ですが、どうしてもCPAPはダメという方に対しては、代替療法としてスリープスプリントがあります。睡眠時に装着すると気道が拡がり、空気の通りが良くなります。
保険で治療できますが、作製に先立ち、医科で睡眠時無呼吸症候群の診断書が必要となります。精巧なマウスピースの作成にあたり、歯石除去や虫歯の治療が済んでからの作製となります。

医療に使うマウスピース

手術で全身麻酔、頭頸部に放射線治療を予定されている患者様へ
全身麻酔には挿管とういう行為が不可欠ですがその際に歯に損傷が起こることがあります。歯がグラグラで抜けそう、高いセラミック等の歯冠修復物が入っているが損傷したくない等の理由がある場合は、全身麻酔時マウスピースを入れることによりその危険性が高い確率で回避できます。
癌等の疾患で頭頸部に放射線治療をされる患者様で歯に金属冠が装着されている場合、放射線が金属冠にあたり、散乱線が発生し、放射線照射部位以外の歯ぐき、粘膜が損傷します。その防止のためのマウスピースです。

78

スポーツマウスガード

スポーツマウスガードを使用する目的と効果

運動中に起こる外傷はどんなに注意をしていても避けることは難しく、頸部や四肢などの骨の外傷は、トレーニングにより筋肉を鍛えることで、ある程度、軽減できると考えられています。同じ硬組織でも歯に対しては何かを鍛えることで効果は期待できないため、歯の破折などの予防のためには、適正なスポーツマウスガードの使用が大きな役割をはたします。
マウスガードの目的・効果の主なものとしては。
①直接外力(野球のボール、他の選手の肘などが当たることなど)により起こる選手自身の舌、歯、顎骨などの外傷の予防・範囲、症状の軽減。
②対戦相手や味方選手の歯との衝突(サッカーのヘッディングやバスケットボールのシュートなどのジャンプ後の着地時などに多く見られ、歯が凶器となってしまうケース)による頭部、顔面、目などに対する外傷の予防・軽減。
③スポーツ中の強い噛みしめ(スポーツクレンチング)による歯の咬耗(すり減り)、歯の破折などの予防・軽減。
④下顎への外力に対する顎関節の保護。
⑤未だに議論の余地は残るとされていますが、脳震盪に対する効果。特に、頭部に対する直接的な外力により起こるものではなく、顎先や胴体への衝撃(間接的な外力)によって生じる頭部の回転加速度によって起こる脳震盪に対する効果。噛みしめることによって頸部の筋の活動性も上がるためこのような効果が期待されます。
⑥経済的な効果。外傷を受けた歯は、当然ではあるが何らかの治療が必要になります。
この初期の費用もさることながら、生涯にわたる治療が必要になることも少なくないため、マウスガードの使用による外傷の予防・軽減が必要です。
このように、マウスガードには様々な効果があるので、コンタクトスポーツや格闘技はもとより、ノンコンタクトスポーツやトレーニング時でも、多くの選手、運動愛好家、学校スポーツを行う人は使用することをおすすめします。
日々の絶え間ない努力によって得られた貴重な運動能力を、歯科的な問題で発揮できなくなることが無いように正しいスポーツマウスガードを使用してください。

スポーツマウスガードの種類

スポーツマウスガードの種類としては、以下の3種があります。
①選手がスポーツ用品店などで購入し、お湯などを使って軟化し歯に合わせるカスタムフィットタイプ。
②歯科医が診査や歯型をとるなどに関わらずに、インターネットなどを通じて企業などによって製作されるタイプ。
③歯科医が、選手の参加する種目・レベル・口腔内などを考慮して設計し、歯型をとり選手自身の歯列模型上に、マウスガード材を軟化成形する機器を用いて圧接、製作し、咬合調整(噛み合わせの調整)などが適切に行われるカスタムメイドタイプ。

①選手がスポーツ用品店などで購入し、お湯などを使って軟化し歯に合わせるカスタムフィットタイプ

①の選手が自分で製作するタイプは比較的安価ですが、噛み合わせ、適合性、維持力、装着感に問題があり、呼吸や発音がしにくいなどマウスガードとしては適切ではないと考えます。
選手自身が作るタイプは、下の歯の圧痕が強く残っており、頭が傾いたときなどに噛み合わせが不安定となります。場所によっては薄く、歯や歯ぐきとの間に隙間があるため、強い衝撃を受けたとき、歯科医院で作製したスポーツマウスガードに比べ、歯や歯ぐきにタメージを受けるリスクが上がります。そのため、前歯の破折や顎の骨の骨折などの危険性をはらんでいます。
歯ぐきと唇・頬の粘膜との境目の上唇小帯など、お口の中の小帯が回避されてないため、お口の中の粘膜に傷や口内炎ができやすくなります。

また、歯科医師が関与していないので噛み合わせの調節が行えません。また厚みが不均一になります。

②歯科医が診査、型どりなどをせず、インターネットなどを通じ、企業などによって製作されるタイプ

②のタイプの多くは模型上で製作されているため適合等には問題ないことが多いようでが、このタイプもカスタムフィットタイプ同様適正な噛み合わせを付与することができないため、前歯部の破折や顎骨の骨折などの危険性をはらんでいます。また、歯科医が診察をしていないことなど違法性が指摘されています。

③歯科医が、選手の参加する種目、レベル、口腔内などを考慮して、設計し、型どりして製作した選手自身の歯列模型上に、マウスガード材を軟化成形する機器を用いて圧接、製作し、咬合調整(噛み合わせの調整)などが適切に行われるカスタムメイドタイプ

③の歯科医が診察し、歯科医師あるいは歯科技工士により適切に製作され、口腔内で調整されるカスタムメイドタイプは、適正な噛み合わせを付与することができ、適合性に優れ、違和感が少なく、発音し易い、種目、選手の口腔内に適した設計ができるなど多くの利点を有しており、当然ながらカスタムメイドマウスガードの使用が望まれます。
カスタムメイドは、歯科医により口腔内にて噛み合わせの調整が適切になされるため安全性が高く、しっかり噛みしめることもできます。

当院のスポーツマウスガード

自費診療になります。5500円

2023年4月現在のスポーツマウスガード装着義務競技一覧

MG装着が義務の競技一覧

MG装着が義務でない競技


スポーツドリンクによる虫歯の危険性

普段のお口の中はおよそpH7(ほぼ中性)。
スポーツドリンクのpHは大体4〜3.5。エナメル質が溶け始める臨界pH 5.5より酸性です。(虫歯の項目参照)
臨界pH 5.5より酸性域が続くと全体的に歯が白く溶ける脱灰という状態になります。
脱灰は状態がよければ、唾液の作用で再石灰化(修復)されますが、酸性域が長い時間続けば再石灰化より脱灰が勝り、歯が溶け虫歯になります。
酸性度が高く、糖分が多く含まれるスポーツドリンクを飲んだ後、そのまま放置してしまうと虫歯になりやすくなります。
ポカリスエット、アクエリアス、アクエリアスゼロのpHは平均pH3.5。
アクエリアスゼロなどカロリーがゼロの飲料もpHはほとんど変わりません。

スポーツドリンクは熱中症、脱水症状やスポーツパフォーマンスの維持には欠かせないものです。
スポーツドリンクを飲んだ後はお茶や水を追加で飲んだり、うがいが効果的です。
最近ではスポーツドリンクをパフォーマンスが低下しない程度、水で希釈する報告が増えています。
フッ素入り歯磨剤(歯磨き粉)の使用や、歯科医院でのフッ化物塗布も有効です。

保険の修復物と自費の修復物

保険の被せ物


保険の被せ物は基本、金属の被せ物ですが、保険の条件に適応すれば白いCAD/CAMの被せ物ができます。医科よりの金属の被せ物に対し金属アレルギーありと診断され、診断書があれば適応範囲はひろがります。
咬み合わせの状態、くいしばりが強いなどある場合、CAD/CAMではなく金属の被せ物になる場合があります。

保険のCAD/CAM(被せ物・部分的な詰め物)

レジン(プラスチック)にセラミックを混ぜた材質で色調が数種類しかなく、セラミックやジルコニア系に比べると審美性、強度は劣ります。保険の銀歯より審美性には優れていますが銀歯より強度は劣ります。被せるには保険の適応条件があります。

ジルコニア(自費)

93500円~

ジルコニアでできた白いかぶせ物。耐久性、強度は優れていますが、セラミックを使用したかぶせ物に比べると、色調が少なく、審美性はやや劣ります。奥歯にはおすすめです。変色、歯垢(プラーク)がつきにくく、金属を使用しないため、金属アレルギーの心配はありません。

e・max(自費)

二ケイ酸リチウムガラスを主成分としたガラスセラミックスです。ガラス特有の透明感の高さと耐久性も有しており、耐摩耗性が天然歯に近く、審美性がいいセラミックの被せ物です。前歯、奥歯とも天然歯に近い色調です。

部分的なつめもの:55000円~
かぶせるタイプ:121000円~

保険のかぶせと自費のかぶせ

保険の歯は樹脂が水分を吸収し摩耗するため、数年で変色してきます。
※金属の土台が入っている場合:白い土台に変えないと金属の土台が透けて審美性が得られない場合があります。(自費15000円~)

義歯(入れ歯)

保険の義歯

89
保険で定められた材料、設計で作成します。

磁性アタッチメント義歯(保険適応)

義歯の維持にバネのかわりにマグネットを使用した義歯
義歯に固定された磁石構造体と歯根に固定された磁性アタッチメント(キーパー)とが吸引します。

※歯周病が進行した、かぶせを入れた・変えた、歯が抜けた、歯ぐきがやせたなど経年変化や入れ歯作製時のお口の中の状態が変わった場合、入れ歯の補修、再作製、定期的なメンテナンスが必要になります。
注意
MRI検査においては,MRI画像にキーパー付き根面板によるアーチファクトが発生するため,MRI検査対象となる疾患(特に口腔,舌,咽頭などの口腔周囲組織)に応じてキーパー部分の撤去が必要となる場合があります。

自費の入れ歯

保険の入れ歯と自費の入れ歯

保険では使用できない金属や設計で作製します。歯の無い場所や設計によっては保険の入れ歯より違和感が少なく、温かいものなど温度が歯ぐきに伝わりやすいため、お食事が保険の入れ歯よりおいしくいただけます。
※歯周病が進行した、かぶせを入れた・変えた、歯が抜けた、歯ぐきがやせたなど経年変化や入れ歯作製時のお口の中の状態が変わった場合、入れ歯の補修、再作製、定期的なメンテナンスが必要になります。
350000円~

ノンクラスプデンチャー

保険の義歯では、金属のバネが歯の表面に見えるため、審美性に劣りますが、ほとんど金属のバネを使用しないノンクラスプデンチャーは審美性に優れています。
歯と歯ぐきにかかる部分を歯ぐきに近似したピンクから透明に変えることができます。


※歯周病が進行した、かぶせを入れた・変えた、歯が抜けた、歯ぐきがやせたなど経年変化や入れ歯作製時のお口の中の状態が変わった場合、入れ歯の補修、再作製、定期的なメンテナンスが必要になります。
104500円~

ペリオスプリントデンチャー

ペリオスプリントデンチャーは歯周病による動揺歯抑制のための可撤式固定装置です。九州歯科大学名誉教授の横田誠氏(現横田誠歯科クリニック院長)を中心に考案され、残存歯の動揺抑制のほか、咬合力の回復、咬合性外傷の予防などに効果があります。形状は通常の義歯とは異なり、クラスプなどは用いず弾性と強度を併せ持つ素材で、歯と歯茎を包み込むことで入れ歯と一体化させ、残存歯にかかる無理な力から守ります。これにより咬合力が増し、ご自身の歯で毎日の食事がおいしく楽しく食べられるようになり、オーラルフレイルやサルコペニアの予防にもつながります。
効果は個人差があります。歯周病の進行状態によっては良好な結果が得られない場合があります。
104500円~

ホワイトニング
ホワイトニング材は国産GC社のティオンを使用しています。海外の製品は歯のエナメル質の厚い欧米人向きで、エナメル質の薄い日本人に使用すると知覚過敏症状が強く発現しやすい。ティオンは日本人にあわせたホワイトニング材で、強い知覚過敏症状が出にくいホワイトニング材です。

オフィスホワイトニングはホワイトニング処置にかかる時間が長く(約1時間~1時間30分)、患者様のエナメル質の厚みなどにより1回の処置でご希望のホワイトニング効果がでない場合があり、当院ではホームホワイトニングを提案しています。

ホームホワイトニング

ホームホワイトニングは医師の指導のもと患者さん自身がご自宅などで行うため、高い安全性が求められます。比較的低濃度の過酸化尿素(10%)が含まれた材料を使用し、効果が現れるまで長期間継続する必要があります。ティオン ホームは、ジェルの性状やトレーの素材を工夫し快適にご使用いただけるホームホワイトニング材です。
写真は当院の症例ではありません。ティオン説明書より。
25850円

96

オフィスホワイトニング

オフィスホワイトニングはその日のうちにホワイトニング効果が求められるため、高い過酸化水素濃度のホワイトニング材を用いる必要がありますが、濃度が高くなればなるほど知覚過敏など有害事象発生のリスクも高まります。ティオン オフィスは新技術「可視光応答型光触媒V-CAT(TiO2-xNx)」の応用により、比較的低い過酸化水素濃度での高いホワイトニング効果と低刺激性を両立させた新しいオフィスホワイトニング材です。
写真は当院の症例ではありません。ティオン説明書より。
31900円

97

ディアルホワイトニング

初めにオフィスホワイトニングをおこない、その後、ホームホワイトニングをおこなう方法で、早くホワイトニングの効果を得ることができます。
54850円

ホワイトニング後のメインテナンスについて

ホワイトニング後、毎日の食事をしているうちに徐々に色素が再沈着してきます。歯の白さを維持するためにホームケア、定期的メインテナンス、シェード(色) チェック、歯面清掃など、必要に応じてホワイトニング(リタッチ)をお勧めします。
定期チェックは半年に1度程度でかまいませんが、ご心配でしたら3ヶ月に1度をお勧めします。
半年後のリタッチ(6か月まで)
ホームホワイトニング 6500円
オフィスホワイトニング 24000円

オーラルフレイル

老化のサインとして注目されるオーラルフレイル

食事中によくむせる。以前はむせなかったのに、時々むせるようになった。食べ物がのどにつかえる感じがする。むせやすい食べ物を避けている。食べ物をお茶や味噌汁などで飲み込むことが多い。飲み込んだ後も、口の中に食べ物が残っている。
さらに滑舌も悪くなったようだ、など、ささいな口のトラブルですが、こうした状態が続くようであれば、それは歯や口の働きの軽微な衰え、つまりオーラルフレイル(口腔機能低下症)の可能性があります。
これらオーラルフレイルの症状は“老化のはじまりを示すサイン“として注目されるようになってきました。健康と要介護の間には、筋力や心身の活力が低下する“フレイル”と呼ばれる中間的な段階があるとされています。その手前にある前フレイル期にオーラルフレイルの症状は現れます。
そのまま放置していると身体的フレイルやサルコペニア、要介護状態、死亡の発生に関連することから、早期に発見し診断(口腔機能低下症)につなげること、機能が低下する前に予防的な取り組みを行うことが推奨されます。
フレイルから続く要介護状態に陥ることなく、健やかで自立した暮らしを長く保つためには、この段階で早く気づき、予防や改善に努力することが重要であるということがわかってきています。


次のようなことが増えたら、口腔機能低下を疑ってみましょう

問題は口腔機能の低下。もっと歯や口の働きに注目しましょう。


出展:東京都健康長寿医療センター 歯科口腔外科部長 平野浩彦

歯や口には本来持っている多くの働きがあり、専門的には口腔機能と呼ばれています。それは大きく分けると。
食べること(噛む、すりつぶす、飲み込む、味わう)
話すこと(発音、会話、歌う)
ですが、感情表現(笑う、怒る)や「呼吸」なども含みます。オーラルフレイルはこのような口腔機能のささいな衰えから始まり、心身の機能低下(フレイル)にまでつながってしまうと考えられています。例えば、食べにくいものを避けて柔らかいものを好んで食べていると、噛むために必要な筋肉が衰えて咀嚼機能がさらに低下し、図のような悪循環に陥ります。

口腔機能が低下すると、誤嚥性肺炎になるリスクが高まります

良く噛み、飲み込む機能が低下することで、誤嚥が起こります。歯周病や虫歯、口腔乾燥などにより、お口の中の環境が悪化すると、食べ物や唾液に含まれた細菌が、誤嚥により気管から肺に入り、肺炎を引き起こすことがあります。これが誤嚥性肺炎です。

要介護にならないために、すこやかな口腔機能を維持する

口腔機能が衰えると、話すことが減るだけでなく、栄養状態の悪化で筋肉がやせ、体力が低下して外に出かけることも少なくなってしまいます。つまり歯や口の働きは、社会とつながるための重要な役割を担っています。
高齢者が社会とのつながりを失うと、まるでドミノ倒しのように心身の活力が弱まり、要介護になっていくことが明らかになってきました(大規模高齢者虚弱予防研究・柏スタディー2015)。こうした事実から、食卓を囲み食事すること、仕事でも趣味でもボランティアでも、楽しく会話したり、からだを動かすこと、つまり口腔機能に関心を持って、社会とのつながりも維持すること、そうしたことが要介護になりにくい体となり、健康寿命を延ばすコツと考えられるようになってきました。
長い人生をすこやかに生き抜くためには、オーラルフレイルへの取り組みが必要です。

当院で実施している口腔機能低下症の検査

①口腔衛生状態不良の検査:舌苔の付着度
②口腔乾燥の検査:口腔粘膜湿潤度 口腔水分計ムーカス(医院設備参照)
③残存歯数
④低舌圧の検査:舌圧計(医院設備参照)
⑤嚥下機能低下の検査:嚥下機能低下の検査(EAT-10)
上記3項目以上該当する場合に口腔機能低下症と診断されます。

その他の検査

反復唾液嚥下テスト(RSST)
反復唾液嚥下テストは30秒の間に、唾液を何回飲み込めるのかを計測していきます。飲み込めた回数が2回以下の場合、摂食嚥下障害の可能性が高くなります。3回以上は正常。
細菌カウンター(診療案内・歯周病参照)
誤嚥性肺炎は病原微生物が誤嚥よって引き起こる気道感染です。お口の中の病原微生物を客観的に測定できます。

摂食・嚥下機能と舌の運動機能

摂食・嚥下機能は舌の運動機能と深く関係しています。舌圧の低い人は、食事の際にむせるなど して食べ物をうまく摂取できず、結果として体内 に栄養を十分取り入れることができないため 低栄養に陥る危険性が考えられます。 低栄養を予防するためには、全身の筋力強化と 同様に、舌に対するリハビリテーション訓練が必要になります。

フレイルや誤嚥性肺炎と関連する舌圧

口腔機能の中でも特に注目すべきなのが、舌圧だと言います。
舌圧とは、舌が上あごに接触する力のことで、舌の筋力に相当します。
嚥下のメカニズム5段階のうち第3期(口腔期)に重要な役割を果たしています。

舌は筋肉でできた組織であるため、舌をあまり動かさなくても食べられる。軟らかいものやツルッと飲み込めるような食事ばかりとっていると舌圧は低下してしまいます。

舌圧低下による症状

➀鼻呼吸が難しく、口呼吸となる
通常リラックスしている時は、舌全体が 上あごに軽く接触して唇は閉じている。 舌の筋力(舌圧)が低下すると、口の中で舌の位置が下がり口呼吸になってしまいます。
➁舌苔(ぜったい:舌の汚れ)がつきやすくなる
舌苔とは舌の表面にある凹凸に口の中の皮膚が剥がれてできた 垢や食べ物のカスなどが溜まって形成されます。うっすらと白くなっている程度で舌本来の色が見える場合は 特に問題なく、健康の証です。 白い部分に厚みがあり、黄みがかかっていたりする場合は 舌苔が蓄積している状態です。
口呼吸により、口の中が乾燥し細菌が増えやすい状態になり、分泌された唾液も乾きやすくなります。 唾液には汚れや細菌を洗い流したり、細菌の増殖を抑える働きがあります。通常であれば上あごと舌がくっついた時の摩擦で汚れ は自然に落ちますが、舌の位置が下がり口呼吸になると汚れが蓄積しやすくなります。
➂食べ物を飲み込んだ後も口の中に食べ物が残る、食事中にむせる
口腔期は、食べ物を噛んで飲み込みやすい形にまとめたものを喉へ送る段階です。舌を上あごに押しつける圧力(舌圧)によって口の中から喉へ送り込まれていきます。舌圧が低下していると食べ物を上手く喉へ送り込むことができず 口の中に食べ物が残ったり、食べ物が気管に入り、むせが起こります。
舌をしっかりと上あごに押しつけることができないと、誤嚥のリスクが大きく、誤嚥性肺炎の患者の多くは舌圧が低い状態にあります。

舌運動が低下する原因としては、脳卒中や神経変性疾患に伴う運動麻痺、筋萎縮、不随意運動などの機能的障害や口腔がん術後で舌の欠損があるなどの器質的障害が考えられます。その他、加齢や低栄養、サルコペニアが原因となる舌の筋肉量減少や筋力低下も重要です。

舌圧は全身の筋力と同様に加齢に伴い低下することが分かっています。加齢だけでなく、脳卒中やパーキンソン病などの神経疾患、認知機能の低下による要介助状態、頭頸部がん術後患者などでも舌圧は低下します。舌圧計測定による最大舌圧の数値と摂取している食形態を調査した研究によると、約30kPa以上でほぼ常食の摂取が可能、約20kPa以下では何らかの調整食が必要という報告があります。口腔機能低下症では最大舌圧が30kPa未満で低舌圧と判定しています。サルコペニアの摂食嚥下障害では、摂食嚥下筋の筋力低下とし20kPa未満とされ、オーラルフレイルにおける口腔機能の低下の目安となります。舌圧の値は加齢だけでなく、さまざまな疾患や栄養障害、廃用によっても低下します。

舌圧低下を防ぐには

上記口腔機能低下症と診断された方へを参照。
①会話やカラオケ、コーラスなどで舌を使う機会を増やすこと
舌は筋肉でできた組織なので、負荷をかけたり動かしたりすることで鍛えられます。
②硬いものをよく噛んで食べること
硬いものを食べると噛む回数が増え、舌の動きも活発になります。左右偏りなく噛むようにしましょう。
③舌のトレーニング
舌に対するトレーニングには、運動範囲の拡大や筋力増強など要素別の練習、発音や咀嚼のような巧緻性、協調性を高める練習などがあります。舌の力の発揮は発音と嚥下で異なり、発音時の舌の力は嚥下時の半分以下といわれています。したがって、嚥下機能を向上させるための舌のトレーニングは、運動範囲の拡大と筋力増強が中心になります。お口の体操や嚥下体操と呼ばれる運動は、主に嚥下や呼吸に関係する器官の運動範囲の拡大や食事前のウォーミングアップを目的にしています。

舌に対する筋力増強としては、舌トレーニング用具(ペコぱんだ)、スプーン、指、綿棒などを用いて行います。ペコぱんだは、負荷強度の異なるものが用意されていますので、個々の症例の舌の力に合わせて選択することができます。

スプーンを使う方法

ポイントはできるだけ強い力で舌を押し上げることです。1日に行うトレーニングの回数は症例によって調整してもよいですが、舌やのどが少し疲れるくらいが目安となります。強い力で舌の押し上げができない場合には、弱い力で1セットの回数を増やす、あるいは疲れを感じるまで行うことで筋力増強効果が期待できます。

(例)
①スプーンの背を舌の上に置き、軽く押します。
②その力に抵抗するように舌を持ち上げ、1~2秒保持します。
5回を1セットとして1日計3セット行いましょう。

食事の際、舌は食べ物を噛んでいる時に喉に入らないように 口の中で受け止めたり、喉の奥に送りこんだりする働きがあります。そういった働きには舌の力(舌圧)が必要になります。 舌を鍛えることで、むせや誤嚥性肺炎の予防に繋がります。 安全にいつまでも楽しく食事が行なえるように 無理のない範囲で舌圧のトレーニングを行いましょう。

舌圧だけでなく、他の口腔機能低下予防のトレーニングも多種あります。

ドライマウス

ドライマウス(口腔乾燥症)

こんな症状があればドライマウスの兆候

• 口の中が渇くので、よく水を飲む
• 口が渇くので水やお茶、飴などを持ち歩く
• 口臭が気になるようになった
• 食物を飲み込みにくくなった
• 口の中がネバネバし不快感がある
• 口が乾き眠れない
• 義歯で口の中が傷つきやすくなった
• 義歯が合わなくなった
• 虫歯や口内炎ができやすくなった
• 味がわからなくなった
• 口やのどが渇いて会話がしずらい

ドライマウスの原因

• 加齢による唾液腺の萎縮
• 咬む回数や筋力の低下
柔らかく、飲み込みやすい食材が多く、咬む回数が減ると唾液腺を押し唾液を出すポンプの役割をする筋力が衰えたり、刺激による唾液の分泌量の減少
• 高血圧症、糖尿病など医科の疾患を治療するための薬剤の副作用や人工透析など
• 過度のストレスや不規則な生活習慣(自律神経のバランスがくずれる)
など色々な原因があります。
また、ドライアイとドライマウスの両方の症状がある場合、シューグレン症候群といわれる病気が疑われます。目・口腔内の乾燥、関節が痛むなどの症状がでると言われているので、思い当たる方は眼科へも受診されるといいでしょう。

唾液のはたらき

• お口の中の乾燥を防ぎ、お口の中の粘膜を保湿・保護
• お口の中の細菌の繁殖予防
• 口の中の細菌の感染や、体の中に病原菌が入ってくるのを防ぐ(抗菌作用)
• 食べ物を咬んで唾液と混ぜ、飲み込みやすい塊(食塊)を形成するのと、消化を助ける
• 飲食後は、お口の中が、酸性に傾き歯が溶けます。唾液は酸性に傾いたpHをもどし、歯の再石灰化の促進や初期の虫歯を修復します(虫歯の脱灰・再石灰化参照)
• 唾液中のタンパクがペリクルというものを形成し歯を保護します(保護作用)
• 入れ歯と歯ぐきがこすれて傷になるのを予防する(潤滑作用)
• 味覚を感じさせる(味蕾細胞の活性)

ドライマウスの治療法

まずは原因を調べる
• 病気が原因な場合は、病気の治療を行う必要があります
• こまめな水分補給、お口の中の保湿剤など使用
• 食事はいつもより咬む回数を増やし、よく咬んで食べる習慣をつける(唾液腺を刺激)
• グミなど適切な頻度・回数を咬む。ガムでもいいのですが、ガムはいつまで咬み続ける(咬みすぎは歯や周りの組織に悪影響をあたえる)、ガムを破棄しなければいけないなど、当院では食べられるグミを推奨しています。
虫歯菌の大好きなある種の糖分を含んでいないグミやキシリトール入りのグミも販売されています。グミの硬さは患者様にあうものを選択してください)
• 唾液が少なく、入れ歯がこすれて痛い時は、お口の中に保湿剤や義歯安定剤など併用すると痛みが緩和される場合があります
• 唾液腺マッサージ、いびきの改善(睡眠時無呼吸用マウスピース参照)、お口の周りの筋肉の訓練など
唾液腺マッサージ

当院では、口腔水分計ムーカスを使用し、お口の中の乾燥状態を検査しています(医院設備参照)。